· 

師範コラムvol.3 年頭の辞

 皆さん新年おめでとうございます。よいお正月を過ごされたでしょうか。この師範コラムも今月で3回目。今回は年の始めということで、10年、20年先を見据えた活動の方向性など書いてみようと思います。

 

 

 

 10年後、20年後、我々の丹足はどのような役割を担っているでしょうか。100年後、200年後にはどうなっているでしょうか。そんな先には、私も皆さんも多分あの世にいっているでしょう。しかしそれでも丹足は残っているんですね。人が死んでも文化は残る。今ある茶道も合気道も、創成期の人たちは誰一人残っていませんが、文化はちゃんと残っている。これが文化の凄いところです。

 

 皆さんは貯金もして人生設計をされていることと思います。しかし例え1億円の貯金があっても、インフレが来たら紙屑になります。戦争で国家が崩壊したら経済も法律も無くなってしまいます。お金というものは、経済というものはそういう儚い存在でもあります。政治だってそう。時代と共にどんどん変わっていく。その中で、文化は100年、1000年と残ってきました。

 

 私がこの協会を立ち上げた理由もこの文化の魅力を感じたからに他なりません。生きとし生けるものは必ずいつか亡くなる。貯金も遺産も儚く消える。でも文化は残そうと思えば残せる。自分たちが生きてきた証をちゃんと残していくことが出来るのです。文化以外にそういうものがあるでしょうか。

 

 

 

 もちろん丹足が100年、200年と残っていくには、それだけの価値を持っていることが前提です。受け継ぎたいという人々の情熱が、文化を残すただ一つの条件です。ですから我々がまず考えるべきことは、丹足が本当に価値あるものかどうか、情熱をかけるだけの意味があるかどうか、我々自身がまず確かめることから始めることです。絶対に丹足は間違いがないぞ、困っている人、悩んでいる人の力になるぞ、きっと社会を元気にするぞ、子供たち孫たちにもなんとか残してやりたいぞ、という情熱が集まればおのずと丹足は文化になります。

 

 丹足創始者として、私はこの丹足の価値においてはもちろん溢れんばかりの自信を持っています。でもそれは私だけのものであっては意味がありません。この協会で活動する人たち、応援してくれる人たち、1人1人が体感を通して丹足への理解を深めていくことが文化普及の第一歩になるはずです。皆さん、今年は去年にも増して、どんどん丹足しましょう。

 

 

 

平成30年1月18日

 

三宅弘晃