第115回全日本剣道演武大会
師範のご縁で、第115回全日本剣道演武大会を観る機会を得ました。6段以上の有段者しか出場できない大会です。
試合前の7時からの朝稽古では、8段以上の有段者が他の大会出場者に稽古をつけておられました。あの熱気と緊迫感は、今も胸を高揚させます。
先に体得した剣道技術と剣道精神を、後に伝える文化が色濃く根付いている。真剣に教えを乞い、真摯に気付きを与え、そのステージに立つ者に開かれた学びと模索。
朝稽古後にお会いできた、この後の試合に出場される師範の遠縁のご親戚の方が、「憧れの尊敬する先生にちょっと長く稽古つけてもらえて!嬉しかった~!」
破顔して話された有6段者のあの一心さが、剣道の魅力を物語るようでした。
![大会前の朝稽古風景](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s2279ca37cf31acbf/image/i5370c52ee0ffc65b/version/1558318384/%E5%A4%A7%E4%BC%9A%E5%89%8D%E3%81%AE%E6%9C%9D%E7%A8%BD%E5%8F%A4%E9%A2%A8%E6%99%AF.jpg)
剣道の精神
大会の始まりの連盟責任者のご挨拶は、剣道者とは何たるかのお話でした。上皇になられた平成天皇のお言葉を受け、日本社会あげての課題克服に剣道者として責任を持つ、そうした意味のお話でした。
剣道の精神を伝え残し、日本の後世を守り繋いでいくために役立てるよう、日々鍛練を積み、修行に励んでもらいたいと、この大会に出場できる堂々たる剣道者の面々に、淡々とお話しされる。それこそが剣道者の存在意義であることを、双方が確認しあっている。
こうした関係や仕組みもまた、受け継がれ世代交代してきたものなのだろう。これからもしていくのだろう。
「道」とは伊達でない。歴史が担う偉大さを全身で感じた日になりました。
![試合開始前の挨拶を聞く出場者の皆さん](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=990x10000:format=jpg/path/s2279ca37cf31acbf/image/ic288357053f691b0/version/1558318575/%E8%A9%A6%E5%90%88%E9%96%8B%E5%A7%8B%E5%89%8D%E3%81%AE%E6%8C%A8%E6%8B%B6%E3%82%92%E8%81%9E%E3%81%8F%E5%87%BA%E5%A0%B4%E8%80%85%E3%81%AE%E7%9A%86%E3%81%95%E3%82%93.jpg)
丹足道
私たちの協会は、「普及」と「道」の二つを併せ持ちます。核となる「道」があるから「普及」を志すことに今更ながら気づきました。
丹足という他にはない新しい道で、社会に寄与する一人になれる。自分のための丹足が、同時に人のための丹足になり、いつしか社会のための丹足になり、後世に生きる人のための道標となる。
丹足に挑む私たちは、少なくともそうした模索のステージを持っています。その模索を何にどう活かすか、問われたように思います。
師範代
井上紙鳶
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